春のみなみ東北へ
平成17年4月9日〜10日
4月10日。9日から週末ごとに運転の583系快速「お花見白虎」号で会津若松へ向かいました。583系といえばかつては昼夜を問わず運行されていた寝台特急電車ですが、今では臨時列車や団体専用列車に運用されているのみ。今回の主目的のひとつである只見線の起点、会津若松への足として目をつけたのでした。この列車、全車自由席なので乗車券のみで乗れますが、まだお花見シーズンには早いためか車内はそんなに混んでいませんでした。
福島到着の車内アナウンスを聞いていると、福島までこの列車を利用して花見山公園へ行くお花見ツアーもあったようです。専用バスが仕立てられていたようで、また一般用の花見バスもあったようですが、開花はまだ先ぢゃないかなぁ。
その福島で10分停車、何気なく改札口に行ってみると、その脇に只見線開通のお知らせが掲示されていました。只見線は3月中旬に土砂崩れで途中区間が不通になっていて、出発前に開通するらしいとの情報を得ていたものの確証はもてなかったのでした。1月には大雪で不通になっていて乗れず、今回只見線に乗れることを楽しみにしていたものの本当に開通したのか不安だったので、この掲示を見て思わずにっこり。
郡山では5分停車、ここから磐越西線に入ります。お客さんも少し増えて、空いているボックスが目立たなくなりました。磐越西線に入ると速度はぐっと落ち、のんびりと走ります。他の快速列車より比較的のんびりしたダイヤになっているみたい。寝台車ということもあり車内は静かで、中山宿のスイッチバック跡や猪苗代湖なんかを車窓から見るつもりがついうとうと…。磐梯山は大きく見ることができました。
12時前に終点の会津若松に到着。列車を降りてからしばらく583系の勇姿を眺め、一旦改札口を出て売店へ。只見線内ではまともな食事にはありつけないので、ここで昼食を用意しておかないとみじめなことになってしまいます。いくつか迷ったのち「会津のおばあちゃん」と「牛肉の味噌焼弁当」をチョイス。飲料なんかも調達して、再び改札内へ。
只見線の発車時刻まではまだ1時間あります。喜多方まで臨時快速列車があるのでそれで往復することにしました。この列車、会津鉄道の快速「AIZUマウントエクスプレス」で、普段は会津若松までですが週末には喜多方まで延長運転される列車。もと名古屋鉄道の特急「北アルプス」に使われていた車両で、座席も特急仕様です。団体さんが降りてきてなかなか乗れませんでしたが、その分車内は空いていました。最前列に座れれば前面展望がばっちりなのですが取れず、それでも前の方の座席で開放感ある車窓を楽しんだのでした。
喜多方での折返し時間は5分。できれば下車して駅前でラーメンかコーヒーをいただきたいところですが、それでは只見線に間に合いません。最前列、いや折返しなので最後列に席を移し、流れ去る景色を楽しみながら先ほど買った「会津のおばあちゃん」をいただきました。
再び会津若松、只見線の列車に乗り込み「牛肉の味噌焼き弁当」をいただきながら発車を待ちます。只見線を乗り通すには臨時列車を除けば1日3往復しかなく、会津若松を昼過ぎに出るこのスジは私のお気に入りで、毎年冬に乗るのはいつもこのスジです。会津坂下、会津川口、只見、大白川で適度な停車時間があって気分転換ができ、また車窓はだんだん雪が深くなっていき夕暮れの大白川でクライマックス!(大袈裟な…)
まだ青春18きっぷの通用期間ですが、土砂崩れ不通の影響もあってかそんなに混んでいませんでした。暖かい日で、窓を開ければ爽やかな春の風が車内に入ってきます。
西若松で11分、会津坂下で5分の停車。のんびりムードの中で対向列車と行き違います。
会津坂下を過ぎると、線路際に根雪がちらほら見えてくるようになりました。でもまだ暖かくて窓からは涼しい風が入ってきます。と思っていたら、車窓にだんだん白いものが広がり、いつのまにか窓を閉めなければ寒く感じるようになってしまいました。
会津宮下では18分停車。でもここでは対向列車があるわけではなく、列車はただ停まっているだけ。時刻表を見ればどうやら臨時列車が設定された時にここで対向させるダイヤになっているみたいです。駅舎なんかをうろうろしていると、私たちの席の近くにいた4人連れのおばさまグループが駅員さんと何やら話をしている様子。あまりの停車時間の長さに耐えきれなかったのか、駅事務室でタクシーを呼んでもらっていたようでした。でも、タクシーが来てすぐ列車も発車となったのですが…(苦笑)
いつのまにか景色は冬に逆戻りしていました。列車は只見川に沿って走ります。
早戸を過ぎると、一昨日まで不通にさせていた崖崩れの現場があります。見ていると、斜面に土嚢が積まれた場所がありました。ちょうどカーブの区間で、通り過ぎてからふり返ると、斜面が見事に滑り落ちていたようでした。復旧してくださった保線の方に感謝です。
只見川の対岸に渡り、川面がダムで広がると、ほどなく会津川口。ここでは小出からやってきた列車と行き違いです。駅前にはパン屋が1軒あり、最初に只見線に乗った時には会津若松で駅弁を購入できずここでようやく空腹を満たした覚えがあります。今回もここでおやつがわりに1個購入。
雪はいっそう深くなり、いつのまにか車窓は冬に逆戻り。線路には雪はないものの、脇の道路はすっかる雪に埋もれたままになっていました。そして列車は只見に到着。
以前はここで20分ほど停車時間があり、5分ほど歩いた所にあるコンビニに寄ったものですが、今は停車時間は7分。雪化粧の柴倉山をバックに停車する列車を眺めるだけで時間が過ぎてしまいました。
只見を出ると、人の気配がない雪山の中を進むようになります。次の田子倉は冬の間は営業を休止する駅で、2週間前から再開したばかり。ここからなんとリュックを背負ったグループが乗り込んできて、賑やかになりました。まさかこの駅から乗車があるとは思わなかった!
そしていよいよ六十里越。長いトンネルを越えると、線路沿いの川は阿賀野川水系の只見川から信濃川水系にかわります。が、景色は相変わらず雪に埋もれたまま。対岸の国道はシェルターごと雪を被り、時々分岐する小さな道路は踏切や標識が辛うじて雪面から頭を出しているので存在がわかる程度。
大白川では最後の行き違いで9分停車。駅前に出てみると、先ほど田子倉から乗ってきたグループはこの駅前に停めたクルマに乗り込んでいくところでした。雪に埋もれると道路も使えず、唯一の交通手段は鉄道ということなんでしょう。
雪の山間部を行くのは次の柿ノ木まで。柿ノ木を出ると人家が車窓に目立ちはじめます。田畑は雪原となっていますが、道路にはクルマが行き交い、先ほどまでとは大違い。1月頃に乗れば、大白川で日没となりこのあたりは完全に暗くなっていますが、今の時期だとちょうど夕暮れ。そして明るいうちに、終点の小出に着きました。
小出での待ち時間は1時間弱あり、この間に夕食をとろうと駅前へ。街の中心部は魚野川の対岸ですが、駅の近くにも数軒の食堂が開いていて、駅前の食堂で定食を注文。お店を出るともうほとんど暗くなっていて、先ほど乗っていた只見線の車両が暗い中にぽつんと佇んでいました。
ここからは上越線を乗継いで首都圏を目指します。スキーシーズンだと水上への延長運転があり、普通列車だけで帰りつけるのですが、4月からは水上まで行く列車は定期列車のみで、もう最終は行ったあと。仕方なく、越後湯沢から高崎までは新幹線を利用します。さすがに2人並んで空いていたのは3人掛けの通路側だけで、窮屈でしたが27分だけだからと縮こまっていたのでした。
高崎からは普通列車の乗継ぎ。最近は高崎方面からの帰りはたいていグリーン車を使うようになってしまい、この日も高崎からグリーン車を乗継ぎ。青春18きっぷでも利用できるようになり、750円でかなり快適に過ごせるのですっかり恒例になってしまいました。
毎年冬には乗りに行っている只見線。今年もやや時期がずれたとはいえ乗れて、よかったよかった(^^)
お花見ができなかったのは残念ですが、まだどこかで見る機会はあるのかなぁ。。。
( )は定刻 | 種別・列車名 | ||||||||
平成17年4月10日(土) | |||||||||
仙台 | 4 | (0833→1148) | 1 | 会津若松 | 仙台 →会津若松 | 9134M〜9213M 快速お花見白虎 | モハネ582-100 | 4/6両 (郡山から3/6) | 4号車 |
会津若松 | 3 | (1202→1220) | 1 | 喜多方 | 鬼怒川温泉 →喜多方 | 8217D 快速AIZUマウントエクスプレス | 8501 会津鉄道車 | 1/3両 | 3号車 |
喜多方 | 1 | (1225→1241) | 3 | 会津若松 | 喜多方 →会津田島 | 8216D 快速AIZUマウントエクスプレス | 3/3両 | 5号車 | |
会津若松 | 5 | 4 | 小出 | 会津若松 →小出 | 427D 普通 | キハ40 550 | 2/2両 | ||
小出 | 3 | (1836→1919) | 4 | 越後湯沢 | 長岡 →越後中里 | 9744M 普通 | サハ115-1006 | 2/4両 | |
越後湯沢 | 13 | 13 | 高崎 | 新潟 →東京 | 8362C とき362号 | 226-1012 | 4/10両 | 4号車 | |
高崎 | 7 | 1 | 籠原 | 高崎 →上野 | 972M 普通 | サロE230-1029 | 4/10両 | 4号車 グリーン車 | |
籠原 | 2 | (2037→2223) | 9 | 横浜 | 籠原 →小田原 | 2300Y 快速 | サロE231-1056 | 5/15両 | 5号車 グリーン車 |
横浜 | 9 | 2 | 保土ヶ谷 | 千葉 →久里浜 | 2109S 普通 | サロE216-36 | 8/15両 | 4号車 グリーン車 |
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