洪水のつめあと2
平成18年3月21日


 平成16年の災害で不通になっている高山本線。 昨年の夏 にも来ましたが、バス代行だった区間のうち一部が昨年10月に開通。で、乗りに行ってみました。
 代行バスの区間とともにダイヤも変わったので、それに合わせて前回よりも1時間早い列車で岐阜を出発です。美濃太田、高山で乗継ぎ、角川までは列車で。飛騨古川から角川までは復旧した区間です。角川から猪谷までは代行バスの区間です。

 岐阜まで乗ってきたのは快速ムーンライトながら91号。横浜から4時間半で岐阜に着いてしまいます。そのせいか眠たくて、美濃太田で乗換えたほかは高山までほとんどうとうとしていました。上麻生あたりで車掌さんが検札にまわってきたのは辛うじて覚えているような気がするのですが…。
 高山では25分の待ち時間があったので、眠気覚ましも兼ねて駅前へ。駅の横にあった喫茶店でコーヒーをいただきました。このお店、なんでも3月で閉店なのだとか。でもお店の中には休日の朝でも何人かのお客さんがいて、落ち着いた雰囲気のお店でした。ちょっとのんびりしすぎたかな、と思いつつ、角川行発車の2分前に乗車したのでした。


高山にて
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 高山から乗った角川行はワンマン2両編成でしたが、乗客の姿は数えるほどしかありません。空いていた後部車両でのんびりしていました。飛騨古川で少なかった乗客の大半が下車。ここから角川までは、先日開通したばかりの区間です。
 2つめの飛騨細江までは平坦な区間ですが、飛騨細江を出て、前回代行バスから見上げた橋梁を渡り、宮川沿いの峡谷に入ると、列車は徐行を始めました。いくつかのトンネルがあり、トンネルに入ると加速、トンネルを抜けるとまた減速、の繰り返し。車窓から見える国道417号線は、かなり復旧工事が進んでいるようで、もう工事をしている箇所は見えません。が、雪に埋もれたままの道路も見えたり。後で地図を見ると、そこに道は無し。この道はもう使われることがないのかな…。定刻より4分ほど多めにかかって、角川に到着しました。


高山→角川
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 角川はホーム1本の小さな駅。最前部の運転手さんにきっぷを見せて列車を降りました。ホームと駅舎の間に小さな植え込みがありましたが、ゆっくりする時間がなさそうだったので駅舎を抜け、駅前の代行バスに。バスは大型が1台、前回と同じ小型が1台。大型は「直行」猪谷行、小型は「各駅停車」猪谷行とのこと。列車が通らない国道41号線を経由する直行バスにも少し惹かれましたが、やはり前回同様、鉄道と並行する国道360号線を通る各停にしました。
 角川を出てしばらくは、国道の補修工事はかなり進んでいたようで、工事の仮設信号はあまり見られず、快調に走ります。が、鉄道線路はといえばまだ工事途中で、工事はこれから本格的にという感じがしました。最初に目にとびこんできた第9宮川橋梁は、まだ橋脚をつくり始めたところという様子でしたが、前回撮った写真と比べると、水面に落ちた橋桁が撤去され、進捗しているようです。
 最初の停車駅である坂上では、前回同様しばらく停車。飛騨市のコミュニティバス「ふれあい号」と並びました。停車時間に、駅舎に行ってみましたが、もちろん前回同様改札口から中を覗きこむだけ。
 坂上から先も、明らかに前回よりよくなった道を進みます。ところどころに真新しい広いトンネルもあり、運転しやすそう。ですが、次の打保に近づくと「迂回路」の立て標識が現れ、補修の続く細い道にかわってしまいました。行き交う車両もダンプカーが目立ちますが、お互いに道を譲り合い、ドライバーさん同士も手で挨拶。みなさん一体でがんばっていらっしゃるんだなぁ…と思ってしまいました。
 打保付近で、前回ずたずたに曲がった線路を見た場所では、線路跡はきれいに舗装されているのを見ました。また、この近くの工事現場にあった「ご通行中の皆様へ」という看板、前回は17年6月末現在で進捗率13%でしたが、今回は18年2月末現在で71%になっていました。この現場についての情報なのでしょうけれど、他の新しくなった道路やトンネルのことと合わせると、どんどん復旧しているんだなということがわかります。
 打保を過ぎ、前回完全に路盤が流されていたのを見た桑谷川橋梁の対岸にさしかかりました。おそらく路盤だった場所は流されてしまいましたが、そこに重機が並び、段状に整地されています。ここでも復旧工事の速さを見た気がします。
 仮設道路、鋭角+急坂の曲がり角はまだ残っていましたが、それを過ぎれば真新しくなった道路に。定刻より6分早く、猪谷に到着しました。神岡まわりの国道41号線を迂回(というより道路はそちらがメインルート)してきた直行バスは、既に乗客を降ろして体を休めていました。


列車代行バスから
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 猪谷発の列車まで30分あったので、少し歩いて国道を渡り、神通川にかかる神峡橋に行ってみました。ちょうど富山から列車がやってくる頃だったので、橋の上から、やってくる列車を眺めてみました。
 前回はここからバスで神岡に抜け、復路は神岡鉄道に乗りましたが、今回は日帰りなのでそのまま富山に抜けます。富山行の列車はキハ120の単行、座席にはちらほら先客がいました。ボックスシートでしばらくは外を眺めていましたが、だんだん乗客が増えてきたのでロングシートにお引っ越し。と、越中八尾からどっと乗ってきて、反対側の窓が見えなくなりました。普段は定期券で通う通勤通学の人が休日に富山に遊びに行くようで、車内はとても賑やかです。駅ごとに乗客が増えて、富山駅に着くと、高山本線用の狭いホームはたちまち人であふれました。
 富山駅の北側には2月末まで富山港線が発着していたホームがありました。廃止からまだ1ヵ月経っていませんでしたが、線路は既に撤去され、ホーム跡だけが残っていました。(富山港線は4月29日から「富山ライトレール富山港線」として再出発し、富山駅前には新しい併用軌道で乗り入れています。)


猪谷〜富山
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 富山ではちょうど昼どきですが、駅弁「ぶりかまめし」を探しました。期間限定の駅弁で、乗換列車が発車する2〜4番線のホームの売店では既に売り切れ。跨線橋を渡り、改札口のある1番線ホームの売店に行くと、残りわずかのようでしたが入手できました。乗り込んだ直江津行の車中で、いただきま〜す♪ ちなみに「ぶりかま」とは、ぶりのエラの後ろをさすそうで、それを柔らかく煮込んだこのお弁当は絶品。骨まで柔らかくなっていて、じっくりと味わったのでした。(「ぶりかまめし」は、中京地区ご在住の たかえむ氏 に教えていただきました。いつもありがとう!)
 列車は魚津を過ぎると日本海沿いを走ります。時折見える海水浴場はひっそりしていて(シーズンぢゃないから当然なんですが)白波がきらきら光ってきれいでした。富山発車時点では立ち客もいましたが、乗客はだんだん減っていき静かになっていきます。満腹も手伝って時々うとうとしながら、車窓を眺めていました。
 トンネルの中の筒石駅を過ぎ、直江津で信越本線長岡行に乗換え。3分しかなくて走っている人もいましたが、そんなに混んでいないので歩いてもゆうゆう間に合います。長野からの快速がやや遅れていて、少し待って発車しました。この列車よりも6分前に、ほくほく線の列車が発車していて、この列車が「ゆめぞら号」の編成だったので乗ってみたかったのですが、そのためにわざわざ特急列車で追いつくのもどうかなと思って今回は順当に18きっぷで乗れるJRの普通列車のみを乗継ぎ…と思ったら、2つめの犀潟でほくほく線の列車が停車していました。ほくほく線は単線、対向列車が遅れていたのかもしれません。わかっていれば乗換えたのになぁ(^^;
 直江津から20分、上下浜。ここまで晴れていたのに、突然雨になりました。座っていた海側の窓は、大粒の雨でみるみる景色が歪んでいきます。が、山側の窓はそんなに濡れていないみたい。海からの風がきついのでしょうか。さらに30分走り、柏崎を過ぎて海沿いから離れると、こんどは反対側の窓が濡れてきました。
 宮内で上越線と合流。この先、上越線を南下するのですが、次の列車までまだしばらく時間があるので、1つ先の長岡まで行きました。雨が上がっていたので、駅前に出てコンビニへ…と思ったら、お目当てのコンビニは見つからず、結局駅ビル内のマーケットでペットボトルを買ったのでした。
 上越線の水上行。長岡に遊びに出かけた人が帰るのか、3両の車内はそこそこ賑やかです。が、駅ごとにだんだん少なくなっていくのは他の土地と同じ。4つめの越後川口では12分停車して、飯山線の列車を待ちます。わざわざ待っていたのに、その飯山線のディーゼルカーから乗換えてきたのは、たった1人でした…。越後湯沢ではしばらく停車、ここで夕食用に駅弁を購入。上越国境に差し掛かった土樽では、小雨から小雪にかわりました。が、それも水上に着く頃には上がっていました。


帰路
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 越後湯沢でほくほく線の特急を待ったので、数分遅れて水上に到着。水上では同じホームの向かい側に接続列車がいたので、高崎行は僅か1分の乗継ぎ時間で発車しました。もう車窓はすっかり暗く、ついうとうとしてしまいます。
 高崎からはグリーン車。先ほど越後湯沢で購入した「すきすき弁当」をのんびりといただき、籠原で湘南新宿ラインの電車に乗換え。都合3本、2時間半のグリーン車。のんびりできて料金は750円とけっこうリーズナブル、というコトで最近は高崎方面からの帰路はすっかりグリーン車になってしまいました(^^;;;

 夜行日帰りで22時間半、約1080km。久しぶりの強行軍…のような気がします。よく乗りました(^^)


乗車駅
時刻
( )は定刻
下車駅
運転区間
列車番号
種別・列車名
乗車車両
平成18年3月21日(火祝)
保土ヶ谷1
0002→0005
(0002→0006)
10横浜久里浜
→品川
2304S
普通
クハE217-201/11両11号車
横浜6
0016→0543
(0014→0543)
6岐阜品川
→大垣
9391M
快速ムーンライトながら91号
モハ189-199/10両9号車
指定席
岐阜3
0546→0617
(0546→0617)
3美濃太田岐阜
→美濃太田
701C
普通
キハ11 1161/1両
美濃太田4
0624→0846
(0623→0846)
2高山美濃太田
→高山
1705D
普通
キハ40 55011/2両
高山3
0911→0949
(0911→0945)
.角川高山
→角川
1823D
普通
キハ48 38092/2両
角川駅前
0955→1059
(0955→1105)
駅前猪谷角川
→猪谷
列車代行バス3
各停
濃飛バス1/1台
猪谷2
1129→1214
(1129→1214)
3富山猪谷
→富山
857D
普通
キハ120 3481/1両
富山4
1224→1417
(1224→1417)
2直江津金沢
→直江津
541M
普通
クモハ475-441/3両
直江津5
1422→1557
(1421→1557)
2長岡直江津
→長岡
1339M
普通
クモハ115-10561/3両3号車
長岡4
1621→1837
(1620→1833)
3水上長岡
→水上
1742M
普通
クハ115-10561/3両1号車
水上2
1838→1940
(1836→1939)
8高崎水上
→高崎
752M
普通
モハ114-10412/4両
高崎7
2000→2032
(2000→2031)
1籠原高崎
→上野
974M
普通
サロE231-10315/10両5号車
グリーン車
籠原2
2037→2222
(2037→2223)
9横浜籠原
→小田原
2300Y
快速
サロE231-10855/15両5号車
グリーン車
横浜9
2229→2231
(2228→2231)
2保土ヶ谷千葉
→久里浜
2109S
普通
サロE216-128/15両4号車
グリーン車


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