SL列車で喜多方へ
平成18年4月1日〜2日


 2月某日。東京で飲まないかとのお誘いがあり、久しぶりの面子が集まって上野で飲みました。宇都宮のS氏、くれTくん、駅舎くん、そしてアクアくん。5年前に喜多方ラーメンを食べ、風っこに乗った面子です。その時の話などしていると、いつのまにかまた喜多方に行くことになっていました。アクアくんは就職活動中で無理とのことでしたが、かわりにS氏の奥様も同行されることになりました。
 4月2日のSLばんえつ物語号と、前夜の快速ムーンライトえちご号の指定券を確保し、あとは当日を待つのみ。ですが、前日はお仕事の可能性が出てきて、夜行での移動は辛いなぁ…と尻込み。一緒に乗るつもりだったくれTくんと駅舎くんには指定券を郵送し、私は新潟に宿をとっちゃいました。


〜その1〜
(4月1日、土曜日)

 4月1日、直前まで出勤の可能性がありましたが、どうにか回避。ちょうどこの日は、上野から水上への「EL&SL奥利根号」が走る日で、指定券が取れたのでこれにまず乗ることにしました。
 上野駅に着くと、奥利根号はすでに入線していて、機関車や客車にはカメラが群がっていました。牽引の電気機関車はイベント用に残るEF60、客車は青い車体の12系。かつてはどこでも見られた機関車や客車ですが、もう他ではほとんど見られないものになってしまいました。5号車18番A席、いちばん前の車両の左側、順方向の窓側です。
 天気は晴れ。車窓にはところどころに桜が見えます。首都圏ではこの数日前から暖かい日が続き、お花見日和になっていたのでした。車内からも「桜がきれいだね」なんて声が聞こえてきます。高崎線をひた走り、上野から1時間50分で高崎に到着。EF60の牽引はここまで、高崎からは蒸気機関車D51が牽きます。蒸機を見ようとほとんどの人がホームに出てしまい、車内はまるで回送列車のようになってしまいました。私はといえば、どうせ機関車の傍は人がいっぱいだし、と窓から前の方を眺めていました。EF60が傍らを通過していくと、前方からD51が近づいてきて、連結!
 発車が近づくと、乗客がぞろぞろと車内に戻ってきました。と、見覚えのある顔が。クモハユさんがこの列車に乗っていたのでした。湘南のご自宅から所用で新潟へ向かうとのことでしたが、車両は後方の2号車。一瞬の挨拶でした。
 太く長い汽笛を鳴らし、D51498に牽かれた奥利根号は高崎を発車。窓を開けると、機関車が吐き出す煤が入ってきます。が、そんなことは気にせず、線路際に描き出される力強い影に見入っていました。左にカーブすると、機関車が見える…のですが、機関車のすぐ後ろの車両なのでよくは見えない(^^;
 奥利根号は、新前橋で5分、渋川で24分、沼田で5分、と休みながら走ります。渋川では後続の普通電車に先を譲ります。と、走っているこの列車を見たくなったので、渋川でこの普通電車に乗換えて、先回りすることにしました。


快速EL&SL奥利根号
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 渋川に着いてから、先発の普通電車の発車まで14分。駅をまたぐ跨線橋があり、上ってみるとちょうど先発の特急「草津白根」号が発車していくところでした。そして駅舎と反対側に行ってみると、停まっているSL牽引の列車を眺めることができました。
 後続の普通電車は115系4連。これで奥利根号より先行します。どこがいいかといろいろ考えましたが、先ほどSLの煤を浴びているので、SLを見送ったあと温泉に浸れるところがいいな、と思い、上牧に決定。終点水上のひとつ手前の駅です。
 上牧では私の他にも数人の下車があり、カメラを持った人もいて「同好の士か?」と思いましたが、駅前からバスで山に向かっていってしまいました。線路は、並行する道路より一段高い斜面を走っており、道路から見上げる格好。その斜面に細い道(というより通路?)があり、登ってみると遮断機も警報機もない小さな踏切がありました。上の段踏切、大宮から127K070M。駅の直前だし、減速して撮りやすいかなとも思い、ここに決定。上り普通電車をやりすごし、遠くに見える雪山を眺めながら奥利根号を待ちます。と、汽笛が響き、姿を現しました。さっきまでこれに乗ってたんだなー、なんて思いながらカメラを構えると…意外と速い! 蒸機+客車6両、ブレーキの効きはけっこうイイんですね…。
 間近に走り去るSL列車を見て満足し、道路に下ります。すぐ近くに日帰り温泉施設「風和の湯」があり、ここでひと休み。熱めのお湯で、のんびりすることができました。立派な施設で、休憩室があるのはうれしいのですが、食事ができないのが残念。持ち込み自由なのだそうですが、食事になりそうなものはカップラーメンくらいしか売られていませんでした…。
 駅前に戻ると、小さな商店が店を開けていました。ここで手づくりのおにぎりを購入し、駅の待合室で食べたのでした。蛇足、駅前の家の軒先にオロナミンCの錆びた広告看板を発見、思わず見入ってしまいました。


上越線上牧駅周辺にて
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 上牧から水上行に乗り1駅、水上へ。ここで接続の長岡行に乗り換えます。待ち時間が25分あったので、一旦駅前に出て、駅はずれの機関区に行ってみました。奥利根号を牽引する蒸気機関車D51498がその身を休めているのです。ロープが張られていて近づけませんでしたが(構内だから当然か)機関車の周りに係員さんの姿はなく、静かに佇む姿は背景の雪山に溶け込んでいるようでした。
 駅に戻ると、長岡行の電車が既に入線していました。車内にクモハユさんの姿を見つけたので合流。水上駅に私の姿が見えなかったので、てっきり先行電車に乗っていったのだと思っていらしたようでした。いろいろ話をしながら上越国境を通過、このあとの行程を考えます。今日じゅうに新潟に着ければいいので、いろいろ考えていましたが、話をしているうちに「ガーラ湯沢」への分岐の越後湯沢や「ほくほく線」の分岐駅である六日町を過ぎてしまいました。ふと「只見線なんて面白いんじゃない?」というクモハユさんのおコトバに、あっさり決定。じつは只見線は今年初めから大雪や雪崩のため区間運休だったのですが、珍しく只見線に縁がなかった今年はよく知らなかったのでした。
 小出で降りても時間がありすぎるので、少し行き過ぎて小千谷で下車。クモハユさんとはここでお別れです。駅前に出てみると、鯉の姿をした地下道が健在で、駅前を見る限りもう中越地震の傷跡は見えないようでした。が、駅の裏にはまだ傷跡癒えぬ建物が残っていますし、現地の方の生活にもいまだ影響が残ると聞きます。一日も早い完全復旧を祈りたいものです。


水上・小千谷にて
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 上り電車で小出に戻り、只見線へ。16時8分発の列車は本来は只見線全線を走破する会津若松行ですが、県境の大白川〜只見間が不通になっているので、大白川行になっていました。そのせいかレールファンらしき姿は車内にはなく、2両のディーゼルカーの乗客は地元の方ばかり。少しずつ降りていったと思ったら、越後須原で10人ほど降りてしまい、乗客は私だけになってしまいました。前の乗務員室には運転士さんと保線の方、後部には車掌さん。乗客は1人ですが車掌さんは駅ごとに車内放送をちゃんとしていました。
 終点の大白川まで行ってもいいのですが、折返しは4分しかありません。慌ただしそうなので、ひとつ手前の柿ノ木で降りてみました。いちばん後ろのドアから降りると「足許に気をつけて」と車掌さん。ホームから外への通路には雪が積もっていて、見事に膝下まではまってしまったのでした(笑)
 列車を見送ると、しんと静まり返った柿ノ木駅。ホームは1本、駅舎は小さな待合室があるだけ。並行する道路を時折りクルマが通るものの、列車に乗る人が来そうな気配はありません。雪に埋もれた踏切を見たり、待合室にあった駅ノートをめくったりして時を過ごし、大白川から折返してくる列車を待ちました。
 先ほどの列車が折返してやってきました。客席には、2両めに1人の姿が見えるだけ。途中から1両めに移り、気兼ねなく窓を開けたり車窓に見入ったりしていました。駅に停車するたびに見ていましたが、乗降はとうとう終点の小出までありませんでした。小出で下車する時にふと見ると、もう1人の乗客と思っていた方は保線の服を着ていました…ってコトは、復路も乗客はワタクシだけだったのでした。


只見線にて
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 小出からはまた上越線の電車に乗り、こんどこそ新潟に向かいます。乗った電車は長岡行ですが、ひとつ手前の宮内で、新井からの快速「くびき野」に先を譲ります。で、ほとんどの乗客が乗換え。ワタクシも乗換えましたが、跨線橋を渡って隣のホームへ移動です。ご年配の方は少々しんどそうな感じ、明らかに乗換を意図したダイヤなのに、同じホームに発着させる配慮が欲しいような気がします。。。
 乗換えた快速「くびき野」は元特急型の485系。簡易ながらリクライニングシートで、ラクできますが、今日はここまで混雑した列車に乗っていなかったのでそんなに疲れてはいないのでした。かえって、前のシートとの間が狭かったり、周りの声がけっこう耳についたり…贅沢ですね(笑)


快速くびき野5号、新潟到着。

 新潟に到着し、一旦今夜の宿である新潟ワシントンホテルにチェックインし、街なかの焼肉店へ。明日ご一緒予定のS氏ご夫妻と夕食を共にしたのでした。


乗車駅
時刻
( )は定刻
下車駅
運転区間
列車番号
種別・列車名
乗車車両
平成18年4月1日(土)
保土ヶ谷1
0657→0722
(0657→0723)
13品川久里浜
→東京
606S
普通
サハE217-20515/11両7号車
品川3
0726→0744
(0726→0745)
1上野大船
→大宮
600B
普通
クハ209-521/10両10号車
上野13
0800→1034
(0800→1034)
3渋川上野
→水上
9733
快速EL&SL奥利根号
スハフ12 1621/5両5号車
指定席
EF60 19牽引(高崎まで)
D51 498牽引(高崎から)
渋川1
1048→1120
(1048→1120)
1上牧高崎
→水上
731M
普通
クハ115-10344/4両
上の段踏切
上牧風和の湯
上牧1
1314→1319
(1314→1319)
1水上高崎
→水上
735M
普通
クハ115-10293/3両
水上1
1344→1522
(1344→1523)
1小千谷水上
→長岡
1739M
普通
クモハ115-10611/3両5号車
小千谷3
1545→1603
(1545→1603)
3小出長岡
→越後中里
1740M
普通
モハ114-12112/4両
小出5
1608→1648
(1608→1648)
.柿ノ木小出
→大白川
434D
普通
キハ40 550
キハ40 578
1/2両
2/2両
柿ノ木.
1704→1741
(1704→1742)
5小出大白川
→小出
427D
普通
キハ40 578
キハ40 550
1/2両
2/2両
小出1
1751→1824
(1751→1823)
5宮内越後中里
→長岡
1745M
普通
クハ115-11031/4両
宮内3
1828→1927
(1826→1927)
3新潟新井
→新潟
3375M
快速くびき野5号
クハ481-15021/4両4号車
新潟ワシントンホテル(泊)


2日めにつづく


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